note/アレア・サイファー のバックアップ(No.10)


「戦争はどんな時代でも完全に消滅したことは無い。それは、人間にとってその現実味がいつでも重要だったから。
同じ時代に、今もどこかで誰かが戦っているという現実感が、人間社会のシステムには不可欠な要素だから。
そして、それは絶対に嘘では作れない。
戦争がどんなものなのか、歴史の教科書に載っている昔話だけでは不十分なのよ。
本当に死んでいく人間がいて、それが報道されて、その悲惨さを見せつけなければ平和を維持していけない、平和の意味さえ認識できなくなる。
空の上で殺し合いをしなければ生きていることを実感できない私たちのようにね。
そして、私たちの戦争が決して終わってはならないゲームである以上そこにはルールが必要になる。
たとえば、絶対に勝てない敵の存在――」
――草薙水素(映画『スカイ・クロラ』より)


いつの時代のものでもよい、世界地図を広げたとき、そのどこにも戦争、紛争、対立の示されていない地図など例外中の例外である。
紛争地域を赤く塗るならば、現在の世界地図も、とび散った血のように赤く染まる。
人間の歴史は闘いの記録でもある。人類は、人間同士、あるいは大自然を相手に戦ってきた。
今も昔もそれは変わらない。
――リン・ジャクスン『ジ・インベーダー』第15版より抜粋(小説『戦闘妖精・雪風〈改〉』より)