幽霊艦隊

ocean rookには雨の降る夜に沖に出てはいけないという言い伝えがある。
言い伝えと言うと間違いかもしれない。
何故ならこれは近年言われ始めたことなのである。
ocean rook近海では幾度と無く海戦がおこり、多くの船が沈んでいる。
しかし原住民であるナイト族を除く殆どの島民は不沈空母の船員であり、夜の海など恐れたりしなかった。
そんな住人さえもが雨の降る夜には海に出ようとしないのである。
近年ocean rookの海軍が壊滅する事態が発生した。後にバルト海沖戦争と呼ばれる戦争である。
多くの艦艇や戦闘機が海の藻屑へと消え、ocean rook始まって依頼の戦死者を出すこととなるocean rook攻防戦、
その戦争が終わり1年が過ぎようとした日のことである。
その夜は土砂降りで波も高かった。
そんな中、巡回中であった沿岸警備隊のカメレオンに漁船から所属不明の艦隊が接近しているとの情報が入った。
カメレオンは直ちに現場へ急行、しかし既にそこには漁船の姿は無かった。
漁船は何者かの砲撃を受け木っ端微塵になり海面を漂っていた。
周囲に艦隊の姿は無く、レーダーにも何も映っていなかった。
事態を重く見たocean rookは、海軍による近海の見張りを強化した。
その3日後、以前ほどの土砂降りではないがまた雨が降り、その夜も海軍は見張りを続けていた。
辺りは暗くライトで照らされた位置しか見えず、レーダーに頼った監視になっていた。
1人の船員が相変わらず何も変わらない海にライトを当て海をぼんやりと見ていると
沖に一瞬だけ戦艦の影のようなものを捕らえた。
しかしすぐにライトがずれ、何も見えなくなる。
慌ててライトを戻し再度捕らえようとするも見つけることはできなかった。
船員は船長に報告するが、レーダーには何も映っていない見間違いだと言われ相手にされなかった。
次の日も引き続き雨、船員は昨日のようにライトを照らし夜の海を見ていた。
そしてまた昨日の様に捕らえた。しかもはっきりと。
それはocean rook国籍の戦艦であった。船員は唖然とした。
ocean rook攻防戦にて沈没したはずの戦艦だったのである。
船体はさび付き敵艦の砲撃を受けたであろう破損が生々しい。砲身は傾き既に機能しないであろう。
それが1艦では無い数十艦の艦隊となって迫ってきている。すぐさま艦長へ報告した。
レーダーには映っていなかったが艦長も尋常で無い船員の慌てように甲板へ出る。
その時ギッギ、ミシッギギギバキ、ギギッギギッギーーーーーーーッッ
という音と共に動くはずの無い砲身が明らかに巡視船に向けられ、
次の瞬間爆音と共に巡視船のすぐ左に大きな水しぶきが上がった。
慌てて巡視船が備え付けの機関銃で応戦すると艦隊は次々と透けて消えていった。
最後の1艦の消える直前、大きく傾き甲板が見えたそこには
ocean rook海軍の軍服を着た屍が散乱しうごめいていたという。
それ以来ocean rookでは雨の日の夜は海へ出るものはいなくなった。
雨の日の夜海岸で耳を澄ますと見えぬ敵へ向けられた朽ち果てた戦艦の咆哮が聞こえる。
ocean rook