note/極東の敗戦国 のバックアップ(No.10)


スパム対策のため、コメント欄を削除しました by拓郎

ここでは、今まであった戦争をある一人の潜水艦ランドグリーズ艦長から見た視点でお送りします。

対風林火山

対88

戦争開始直後、俺たちは戦場に向かって突入した。

初めての本格的戦争、俺にとっては初陣だ。
潜水艦隊本部からの指令によると、目的地は88島らしい。

まったく結構な遠出だ。
航海長によると、目的地までは2週間だと。

航海1週間目。
何も起こらない、これから戦場に行くからか、乗員の顔は緊張でガチガチになっている。
「副長、このガチガチどうにかならないのか?」
俺は副長に聞いた。

「これはしょうがないのでは、反対に余裕たっぷりな表情でも困りますし」
まぁ、それはそうなんだがな……

航海2週間目、俺たちは88島近海に来た、まず潜望鏡を上げる、通信アンテナも同時に上げる。
遠く向こうに敵都市の明かりが照らされてる。

潜水艦隊本部から、「軍港ヲ攻撃セヨ」との指令が下る。
俺たちは近くの軍港に向かって、静寂航行する。

敵艦隊には対潜駆逐艦は居ないと言う情報が入っていた。
さらに対潜哨戒機も出せるレベルではないらしい、これは嬉しい、潜水艦の天敵が居ないのだから。

魚雷発射圏まで来た、向こうは止まっている、こちらも止まっている。
この状況で魚雷を外すなんてしたら、俺は死んじまう。
「1から4番魚雷発射管開け!」
俺は命じた。
「発射管開けました。」
俺はもう一度だけ、魚雷の確認をする。
問題ない
「魚雷発射!」
1から4番の魚雷が突っ込んでいく。
対潜駆逐艦が居ないので、堂々と潜望鏡を上げることが出来る。

「弾着です!」
軍港に4発の水柱が上がった、全弾命中、敵の軍港は火を噴いている。
乗員の顔を見ると、皆笑っている。
「よし、次の目標行くぞ!」
俺たちの戦争は始まったばかり。