ノート:共有主義闘争

共有主義について


私有財産の廃止を始めとして、すべてのものをみんなで共有しようという主張です!
これにより退廃的資本主義のような格差は生まれません! みんなしあわせです!
はさみの一本、女の子一人に至るまでみんなで共有する。こんな素晴らしい共有主義を採用してみませんか?

人類統合組織ソビエトがT4351に発信した内容)

SG・ラメラク兵曹長の体験談


先ほどから敵戦艦からの砲火が甲板を貫き、至るところに肉が飛び散り、煙で目が痛む。私がこうして生きているのも不思議なほどだ。
今度こそ、ダメかもしれない…。そう思いそうになる自分の感情に深く扉をして、自分自身を奮い立たせた。
ふと海の向こうを観れば、まだこの国の空母と駆逐艦が戦っている。大分攻撃を受けているらしいが、なるほど、駆逐艦は敵の戦艦を追い詰めているようだ。
安心して私は梯子を降りて、甲板に飛び出した。
その時だった―
轟音と共に私の目の前で弾丸は炸裂した。
一瞬で私は吹き飛ばされ、宙を舞った。

激しい衝撃とともに私は意識を取り戻し、しばらく茫然としていた。
空は煙でどんよりと灰色で曇りだった。
自分の足と手の感覚が無くなっている、そう気付いたのは他の戦友が駆け寄ってきてからだった。
私は担架で船体内の医務室に運ばれ、治療を受けた。
左手足が吹き飛び、右足には弾丸の破片が刺さり、右肩を脱臼していた。
私が今こうして文章を書けているのも、この右手が奇跡的に残ったからだ。

(『燃ゆる甲板』(シユーラ・ラメラク著)より)

人類統合組織ソビエト・クズネツォフ元司令官の手記


初動にて航空隊が大損害を負ったSGに、我が赤軍の侵攻を止める術は、最早無いように見えた。
彼らの持つ我々のものより性能がいい駆逐艦は軒並み大破して同盟国へ避難していたし、何よりも重要な戦力
--即ちド級戦艦--は本土へ帰還するだけの燃料もなく、わが方の航空隊の餌食になるのを待つばかりであった。
万全の準備を整え、敵の海上要塞線の突破を目指して出撃を開始した。

しかし、その勝機は直後にやってきた大量の援助によって打ち砕かれてしまった。
彼らの言うところの「商取引」によって、SGは我が艦隊が3回の全力出撃を行えるだけの物資を手に入れた。
こちらが苦心して破壊した要塞の施設は金に物を言わせた突貫工事によって即座に復旧された。
我が方の戦艦は帰還してきた艦隊と航空機の出撃により損傷し、全面撤退を強いられた。
そして、重要な艦艇のいくつかが失われた。その瞬間、勝利も永久に失われたのである。


もし…もしもだ。時が巻き戻るとしたら…あの時のミスを何としても取り戻してみせるだろう…

(この手記は敗戦の責任を問われた軍事法廷での死刑判決の後、刑が執行されるまでの短い期間に収容所にて書かれたものである。)